トモイクシートで従業員の意欲向上へ!企業が取り組みたい仕事と育児の両立支援
トモイクシートとは、家事・育児の負担を見える化し、夫婦やパートナー同士で家庭内の協力体制を考えるために、厚生労働省が提供するツールです。
人手不足が深刻化するなか、従業員の意欲向上や人材定着につながる職場環境づくりは、企業経営における重要な課題です。
そのためには、給与や福利厚生の充実だけでなく、従業員が仕事と家庭生活を両立し、健康で安心して働き続けられる環境を整えることが大切です。
そこで活用したいのが、厚生労働省の「トモイクシート」です。家庭内の家事・育児の負担を見える化し、夫婦やパートナー同士の対話を促すこのツールは、従業員が生活を見直すきっかけになります。
本記事では、トモイクシートの活用方法から、従業員の健康・意欲向上、人材定着、そして企業経営の安定につながる理由について解説します。
トモイクシートとは?家事・育児の負担を見える化するツール
トモイクシートは、厚生労働省の「共育(トモイク)プロジェクト」で提供されている、家事・育児の最適な協力体制を考えるためのツールです。
夫婦やパートナー同士で目指す家庭像を共有し、家事・育児の分担状況や負担感を整理したうえで、お互いが納得できる協力体制を考えます。Web版のほか、PDF・Word形式でも利用できます。
また、夫婦やパートナー同士で話し合うだけでなく、自分自身の考えや家事・育児の負担を整理するために、一人で利用することもできます。
主な取り組みは、次の3つのステップです。
STEP1:目指す家庭像を共有する
STEP2:家事・育児の負担を見える化する
STEP3:最適な役割分担を考える
例えば、食事の準備や洗濯、子どもの送迎といった目に見える家事だけでなく、予定の把握や学校・保育園との連絡など、負担を感じやすい役割も整理できます。
重要なのは、単に作業を均等に分けることではありません。お互いの考えや負担感を理解し、無理なく生活できる協力体制をつくることです。
仕事と育児の両立支援が従業員の健康・意欲向上につながる理由
家事や育児の負担が一方に偏ると、十分な睡眠や休息の時間を確保できず、心身の疲労やストレスが蓄積することがあります。こうした状態が続けば、仕事への集中力や意欲にも影響しかねません。
トモイクシートは、家庭内で抱えている負担や悩みを整理し、解決策を考えるきっかけとなります。家庭内の協力体制を見直すことに加え、企業が業務量や働き方、休暇の取得しやすさなどを改善することで、従業員が仕事を続けやすい環境づくりにつながることが期待できます。

どんな家庭を築きたいかを書き出したり、家事・育児の心の負担感を数値で表したりできるので、自分やパートナーの考え方、捉え方を把握するのによいですね。

現状を整理しやすいですね。ただし、シートを利用するだけで課題がすべて解決するわけではありません。企業側も業務量や勤務時間、休暇の取得しやすさなどを見直し、仕事と家事・育児を両立できる職場環境を整える必要があります。
中小企業でもできる!仕事と育児を両立しやすい職場環境の改善
「人手に余裕がない」「大規模な福利厚生制度を導入するのは難しい」と感じる企業もあるでしょう。しかし、従業員数が少ない企業でも、経営者の意識や日々の声かけから取り組みを始めることができます。
厚生労働省の「共育(トモイク)プロジェクト」の企業好事例集では、経営層から意識改革を進めることや、業務の見える化、休暇を取得しやすい体制づくりなど、職場環境を改善するための取り組みが紹介されています。
こうした考え方は、小規模企業にも応用できます。例えば、次のような取り組みが考えられます。
トモイクシートの周知
社内でシートを紹介し、希望する従業員が自由に利用できるようにする。
相談しやすい職場づくり
定期面談などを通じ、仕事と家庭の両立に関する悩みを相談できる機会を設ける。
業務の見える化
担当業務や進捗、手順を共有し、特定の従業員に仕事が集中することを防ぐ。
休暇を取得しやすい体制づくり
業務の引き継ぎや複数担当制を進め、急な休みにも対応しやすくする。
経営者・管理職の意識改革
長時間労働を当然とせず、仕事と家庭の両立を応援する姿勢を示す。
なお、トモイクシートの利用は、従業員本人の意思を尊重することが大切です。企業が利用を案内する場合も、記入や提出を一律に義務付けるのではなく、希望する従業員が自由に活用できるようにしましょう。また、家庭内の事情や記入内容について、会社が不必要に報告を求めないなど、プライバシーへの配慮も重要です。

「トモイクシート」の紹介を会社でしてくれたり、定期面談をしてくれたり、環境を整えてくれるのはとてもありがたいけど、社長や上司が忙しくて働く現状があまり変わらなければ、働く意欲向上にはなかなかつながらない気がします。
大切な
のは、制度をつくること自体を目的にしないことです。従業員が実際に利用でき、働きやすさを感じられる取り組みを少しずつ広げていくことが、職場の意識改革につながります。
例えば、まず経営者が「家庭や私生活も大切にしながら働いてほしい」と伝え、一つの部署やチームで業務の共有方法を見直すことから始めてもよいでしょう。
また、企業は、育児・介護休業法に基づく制度や措置を適切に整備・運用することも重要です。トモイクシートの活用と併せて、育児休業や柔軟な働き方に関する制度を従業員が利用しやすい環境を整えましょう。
従業員の定着と企業経営の安定につながる両立支援
従業員が健康を保ち、安心して働き続けられる環境は、企業にとっても重要な経営基盤です。
仕事と家庭の両立が難しいことを理由とする離職を防ぐことができれば、採用や教育にかかる負担の軽減が期待できます。また、経験や技術を持つ従業員が長く働くことで、業務の質や顧客対応の維持にもつながります。
さらに、業務の見える化や情報共有が進めば、特定の従業員に仕事が依存する状態を改善し、組織全体で支え合える体制を整えやすくなります。
こうした取り組みは、子育て中の従業員だけでなく、介護や病気など、さまざまな事情を抱える従業員にとっても意味があります。
従業員の生活が整い、心身の健康を保ちながら意欲的に働けること。その積み重ねが、人材の定着や組織の生産性を支え、結果として企業経営の安定にもつながっていきます。
まとめ
トモイクシートは、家事・育児の負担を見える化し、対話を通じて家庭内の協力体制を考えるためのツールです。
企業がその活用を後押しすることは、従業員が生活を見直し、仕事と家庭を両立するきっかけづくりになります。
ただし、従業員の意欲向上や人材定着を目指すには、シートの紹介だけでなく、業務量や働き方、休暇の取得しやすさなど、職場環境の改善も併せて進めることが重要です。また、従業員の意思やプライバシーに配慮しながら、育児・介護休業法に基づく制度や措置を適切に運用することも欠かせません。
まずは経営者や人事・総務担当者がトモイクシートを確認し、自社でできることから始めてみてはいかがでしょうか。

松島社会保険労務士法人では、企業の実情に合わせた労務管理や職場環境の改善、人材定着に向けた取り組みをサポートしております。
従業員の意欲向上と企業の持続的な成長に向けて、ぜひお気軽に当法人へご相談ください。
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