令和4年10月~白ナンバーの事業者にもアルコールチェックが義務に!
警察庁は2021年11月4日、一定台数以上の「白ナンバー」(自家用)車を業務で使う事業者による運転手の飲酒検査について、2022年10月1日からアルコール検知器の使用義務化することを発表しました。
これは2021年6月に千葉県八街市で起きた、下校中の小学生の列に大型トラックが突っ込むという、児童死傷事故を受けて検討された改正案です。
この事故では運転手から基準値以上のアルコール反応が検知されていました。
(๑`^´๑)ダメ‼ゼッタイ‼
【2022年8月10日追記】
7月15日警察庁は「最近のアルコール検知器の供給状況等を踏まえ、当分の間、アルコール検知器の使用義務化に係る規定を適用しないこととする」という内閣府令案についてのパブリックコメント募集を開始しました。
世界的な半導体不足などの影響により、必要とされる台数の製造が難しくなってしまったという訴えがメーカー側からあったためのようです。
パブリックコメントの締切が8月13日(土)ですので、その後詳しい情報が出てくるものと思われます。
ただ、義務化延期の可能性があるとはいえ、運転手を含む‟人命”を守るための法律ですので、既にアルコール検知器の準備ができている企業については、早々に飲酒検査を開始していただくのが望ましいでしょう。
飲酒運転根絶のために
緑ナンバーと白ナンバーの違い
まず、緑ナンバー・白ナンバーの違いをご存知でしょうか。
緑・白というのは車のナンバープレートの色のことです。
緑ナンバーの車輛は法律で「一般貨物自動車運送事業」と言い、運輸や物流業等の「他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業であって、*特定貨物自動車運送事業以外のものをいう」と定められています。
*特定貨物自動車運送事業…荷主限定トラックのこと。単一特定の荷主から運送の依頼を受け、トラックで荷物を運送し、運賃を受ける事業をいいます。
つまり、金銭をもらって、他人のものを運ぶような場合は(特定貨物自動車運送事業以外は)緑ナンバーが必要ということになります。
対して家庭用の車等でも使用されている、白ナンバーには、上記のような法律はありません。
会社で所持している車であっても、「他人の需要に応じ、有償で、貨物を運送するもの」に当てはまらない場合 =「自社の物を運ぶ場合」や「無償で貨物を運ぶ場合」は、白ナンバーでも罰せられることはないということです。
(@o@ !!
緑ナンバーの義務
これまで緑ナンバーの車輛においては、運転前に「点呼」「アルコールチェック」が義務化されていました。
白ナンバーの車を所持する企業には義務はありませんでしたが、そこが問題視され、今回の改正にいたりました。
※千葉県の事故を起こしてしまったのも白ナンバーの社用車でした。
新たな対象
今回の改正で「点呼」「アルコールチェック」等が新たに義務化されるのは、道路交通法にて「安全運転管理者選任事業所」として規定されている企業や団体です。
安全運転管理者選任事業所とは、自動車を5台以上、または定員11名以上の自動車を1台以上所有している事業所のことです。
条件に当てはまる事業所は、安全運転管理者を選任して15日以内に事業所を管轄する警察署に届出しなければなりません。
安全運転管理者には、下記のような管理をする責務があります。
安全運転管理者の新たな責務
選任事業所に勤務する安全運転管理者には令和4年の4月と10月の二段階で、新たな責務が課されます。
【令和4年4月1日施行】
■運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること
■酒気帯びの有無について記録し、記録を一年間保存すること
※ここで定められた一年間の記録の保存は、保存方法は定められておらず、手書き、データいずれでも問題ありません。
【令和4年10月1日施行】
■運転者の酒気帯びの有無の確認を、アルコール検知器を用いて行うこと
※呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器
■アルコール検知器を常時有効に保持すること
当初はアルコール検知器を使用しての酒気帯び確認義務も、4月から施行予定でしたが、事業者より準備が間に合わないと声があがり、10月施行になったようです。
(; ・`д・´)ジュンビシナキャ
罰則規定
安全運転管理者が上記業務を実施しないこと自体に罰則は設けられていません。
但し、ご存知の通り、もともと飲酒運転自体には重い罰則が設けられています。
【出典】みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」|警察庁Webサイト
当然ですが、万が一飲酒運転により交通事故を起こしてしまい人を死傷させた場合は、2014年から施行された「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」により、さらに重たい罰になります。
第3条 アルコール又は薬物若しくは運転に支障を及ぼすおそれがある病気の影響により、正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で自動車を運転し、よって正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた場合
致死:15年以下の懲役 致傷:12年以下の懲役
【引用】「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が施行されました(警視庁ホームページ)
(;´⌒`)タイヘンナコトニナリマス
アルコール検知器のタイプ
今回、新たに購入が必要になる事業所が多いと思われる、アルコール検知器には主に3つのタイプがあります。
1⃣据え置き型
メリットは、事務所で計測するため、不正防止効果があり、プリンター内臓で測定結果をその場で印字できる(機種もある)というところです。
2⃣携帯型
比較的安く、事務所に戻れない場合(直行直帰や出張時)も測定できるのがメリット。
測定結果を管理者に自動送信してくれるものもある。
3⃣高機能型
パソコンにソフトウェアを導入。他拠点を含め、測定結果の一元管理ができる
IT点呼などの拡張機能があるものや、代理で検査をすることを防止するために写真を自動撮影してくれる機能があるものも。
また、新型コロナウイルスの感染対策として、検知器の販売業者も試行錯誤しており、専用の使い捨てストローを使用できるものもあります。
精度が高かったり、安価で人気のものなどは、早目に売り切れてしまう可能性がありますので、余裕をもって購入するようにしましょう!
ハイッ!(`・ω・´)/
*·‥… ━━━ *·‥…━━━*‥…━━━ *‥…━━━ *‥…━━━ *‥…━━━ *
この内容は公開日時点のものです。
当ホームページに掲載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、情報のご利用は利用者の責任の範囲とさせていただきます。
*·‥… ━━━ *·‥…━━━*‥…━━━ *‥…━━━ *‥…━━━ *‥…━━━ *