この改正は、社会において旧姓を使用しながら活動する女性が増加している中、様々な場面で旧姓を使用しやすくなるようにと行われたものです。
住民票・マイナンバーカード等への旧姓併記
今回は令和元年11月に施行された、住民基本台帳法施工令の一部を改正する政令(住民票・マイナンバーカード等への旧姓併記)のメリット・デメリットを見ていこうと思います!
これまでも職場によっては旧姓の通称使用は認められてきました。
また、国家資格や免許等でも旧姓使用ができるものが大多数となっています。
ただ、公的な書類や金融関係では名義変更が求められてきました。
(・ε・` )ソウナンデスヨネ
旧姓併記する?しない?
夫婦同姓の歴史
婚姻時、現行の法律では、夫婦のいずれかが姓を改める必要があります。
明治時代(1898年/明治民法)によって夫婦同氏の原則が定められ、夫婦は必ず同じ名字を名乗ることとされたためです。
大抵の場合、女性が男性の姓に合わせているのが現状です。
婚姻前~後まで引き続いて働く女性が増えたり、事項に挙げたような明治時代にはなかった制度や手続きが増えたということで、時代の変化に伴い、夫婦別姓が求められるようになりました。
「夫婦同姓の原則」による弊害
仕方がないこととして、スポットがあたることはあまりないですが、改姓する側には下記のような弊害が生じてきました。
・名義変更のための多大な手間と労力(免許証・パスポート・その他公的書類・銀行・保険・クレジットカード・オンラインショップ等々)
・婚姻、離婚等のプライベートな事柄が姓が変わることにより職場等に知られてしまう
・改姓前と同一人物であることが判断されづらくなってしまう(キャリアや経歴等に影響)
これらの根本的改善には法改正が必要になりますが、夫婦別姓については議論が進んでいないのが現状です。
そのため、旧姓を併記することでこういった弊害を少なくしていこうと、住民基本台帳法施工令の一部の改正がなされました。
ο(*´˘`*)ο
メリット
住民票等に旧姓併記がされると、更なる申請により下記書類にも旧姓併記ができるようになります。
・パスポート
・運転免許証
・国民健康保険被保険者証
本人確認書類として使用される免許証等に旧姓併記ができることで、各社に事前確認が必要ですが、旧姓対応が可能になっていれば、旧姓のまま口座開設等の手続きができたりします。
これに関しては、対応スピードがまちまちのようで、さまざまな検証サイトを調べても「官公庁絡みの手続きは旧姓でスムーズにできるが、そうでない場合は新姓での手続きを求められる場合が多い」という結果が多いです。
パスポートに関しては旧姓併記はできるのですが、国際的に規格が定められているICチップには旧姓の情報を入れることができないため、旧姓で購入した搭乗券が使用できなかったり、入国審査で止められてしまったり、旧姓名義のクレジットカードが海外で使えなかったり等トラブルが多発したようです。
(@o@ !!
東京生活文化局のサイトには下記の注意事項が掲載されています。
また、令和3年4月1日からは旧姓併記のための要件を緩和するとし、併記されたものが旧姓であることを外国の入国管理当局などに対して分かりやすく示すため、英語で「Former surname」との説明書きを加えることになりました。
国際結婚や二重国籍等、旧姓以外の別名についても、所定の要件を満たすことで併記を認め、「Alternative surname」などの説明書きを加えるとしています。
デメリット
旧姓併記のデメリットとしても、いくつかの点が挙げられます。
・住民票に旧姓併記することで、自動的に旧姓併記になってしまう書類がある(マイナンバーカード、印鑑登録証明書、署名用電子証明書)
・旧姓対応ができる企業とできない企業があるため、旧姓と新姓を使い分ける必要性が出てくる
・旧姓併記が必要なくなった場合、併記をやめるための手続きができるが、その後姓が変更したときに限り、削除後に新たに生じた旧姓の中から一つを選んで再び併記することができる。
(=原則としていったん削除した旧姓は再び併記することができない)
φ(..)フムフム
旧姓を併記するだけは問題ないですが、実際に旧姓を使用して手続きをしようとすると、何の手続きをどちらでしたのかを覚えておく必要も出てくるため、熟考する必要がありそうです。
住民票への旧姓併記の申請方法
併記したい旧姓が記載されている書類*¹ と 他必要書類*² を、住民票のある市区町村の役所に持参して申請します。
(旧姓がいくつかある場合には一つのみを選択できます)
*¹ 併記したい旧姓が記載されている書類・・・戸籍抄本または戸籍謄本 +姓変更前のマイナンバーカードまたは運転免許証等
*² 他必要書類・・・各自自治体に要確認
パスポートのICチップ等の国際的なハードルは難しいとしても、国内では旧姓での手続きが全てスムーズにできるようになると良いですね!
(人´∀`*)
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