高年齢者に関わる雇用保険

(マルチジョブホルダー)

2022年1月1日から、マルチジョブホルダー制度が始まります!

※マルチジョブホルダーに関しては☟の記事の3⃣雇用保険[高年齢被保険者の特例]で簡単に触れていたのですが、今回は詳細を見ていきたいと思います。

簡単まとめ[2022年1月1日から施行される改正]

(ง •ૅ౪•᷄)วヨッシャ!

高年齢者の雇用に関わる措置 vol.1

近年、平均寿命の延びにより、70歳以上であっても働き続ける意欲を持ち、元気に仕事を続ける方が増えてきました!
また、少子高齢化や新型コロナウイルスの問題で副業を解禁(もしくは推進)する企業が増えたことで、高年齢の方の中にも、一つの企業で働くのではなく、いくつかの仕事を掛け持ちして生活する方が増えました。
そんな高年齢労働者を守る、雇用保険の新しい制度がマルチジョブホルダーです。

マルチジョブホルダー制度とは

現行は年齢に関わらず、一つの事業所で週20時間以上勤務していないと雇用保険に加入することはできません。
ダブルワークの場合で、どちらとも週20時間以上勤務するという場合は、“生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける1の雇用関係”についてのみ、被保険者となるとされていました。
つまり、いずれかの事業所で週20時間以上勤務していないと、被保険者になることができませんでした。

今回の改正では、65歳以上の労働者を対象に、2つの事業所の労働時間を合算して週の所定労働日数が20時間以上であれば、雇用保険に加入できるようになります。
(=以下、この制度を利用して雇用保険に加入している方を“マルチ高年齢被保険者”と言います)

(゚o゚〃)ナンデスト!!!

ここまでは以前の記事でも説明させていただきました。
今回はさらに詳しく要件等をご案内していきます。

加入要件

まず、マルチ高年齢被保険者となるには、以下の要件が必要です。

【注意】
一度加入すると、通常の被保険者と同じように、要件を満たさなくなること以外での脱退は認められません
3つ以上の事業所で勤務している場合は、そのうち2社を労働者が選択して届出を行います
マルチ高年齢被保険者として2つの事業所を届け出た後に、さらに別の事業所で雇用された場合も、上記要件を満たさなくなった時以外は、加入する事務所を任意に切り替えることはできません。(例えば、「3つ目の事業所の方が労働時間が長い場合や給与が多いから」と言って加入する事業所を自由に切り替えることはできないということです)

(๑´灬`๑)ホホウ

労働者が行うこと

また、気を付けたいのは届出は労働者本人本人の住所を管轄する公共職業安定所にする必要があるという点です。
各事業所で、別の事業所での労働状況まで把握するのは大変ということで、このようになっています。

届出を行うことで、申し出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(=マルチ高年齢被保険者)になることができます。
そして、マルチ高年齢被保険者の方が失業した場合には、一定の要件*¹を満たせば高年齢求職者給付金*²を受給することができます。

*¹一定の要件・・・次項で説明します
*²高年齢求職者給付・・・被保険者期間が一年未満の場合は30日分、一年以上の場合は50日分の基本手当日額*³が給付される制度
*³基本手当日額・・・離職の日以前の6か月に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(賃金日額)のおよそ5割~8割の額
(2つの事業所のうち1つの事業所のみを離職した場合は、離職していない事業所の賃金は含めません)

【出典】労働者の皆さまへ (厚生労働省)

(Ο-Ο―)キリッッ!!

支給要件

詳しくは下記のリーフレットに記載があるのですが、高年齢求職者給付金の支給要件に関する部分だけ切り取っています。
【出典】離職されたみなさまへ/高年齢求職者給付金のご案内①②(厚生労働省)

また、当然ですが、高年齢求職者給付金は通常の雇用保険と同様で、求職していない場合(=再就職する意思がない場合)は給付金がもらえませんので、覚えておきましょう!

デスヨネ(´ε`;)

事業主が行うこと

マルチジョブホルダーの手続き・届出は基本的に労働者が行うものですが、事業主側にも留意点があります。

  • 労働者からの依頼に基づき、手続きに必要な証明(雇用の事実や所定労働時間等)は行う必要がある
  • もしも初めて雇用する労働者がマルチジョブホルダーだった場合は、事業場自体の雇用保険加入の手続きも必要(あまりないパターンかと思われますが)
  • 労働者がマルチ高年齢被保険者の資格を取得した日からは、通常の労働者と同じく、労使双方に雇用保険料の納付義務が発生する

雇用する側としては、少々の手間と雇用保険料の負担がかかることにはなりますが、マルチジョブホルダーが申出を行ったことを理由として、解雇や雇止め、労働条件の不利益変更など、不利益な取扱いを行うことは法律上禁じられていますので、注意が必要です。
リーフレットには、事業主からの協力が得られなかった場合にはハローワークから事業主に対して確認を行うということが記載されています。
【出典】事業主の皆さまへ(厚生労働省)

Σ(゚Д゚)

通常の雇用保険とは違い、マルチジョブホルダー制度を使用しての雇用保険加入は必須ではありません。
ですが、いざ職を失った時に「入っていてよかった~」と思うのが雇用保険です!
慣れない手続・事業主への協力依頼・雇用保険の支払い等するべきことはありますが、要件に当てはまる方、また当てはまる方を使用する事業主の方は、情報を共有し一度検討してみてはいかがでしょう。

ヽ(*·ᗜ·)ノヽ(·ᗜ·* )ノ ハイタッチ!

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