【2026年改正】外国人雇用管理指針とは?事業主が見直すべき対応ポイント
人手不足が深刻化する中、日本人労働者・外国人労働者を問わず、職場での定着と活躍を促す環境づくりが欠かせなくなっています。外国人労働者が能力を十分に発揮し、安心して働ける環境を整備するため、厚生労働省の「外国人雇用管理指針」が改正され、事業主が取り組むべき事項が新たに明記されました。本記事では、指針改正の概要と、企業が段階的に対応すべき実務ポイントを解説します。
外国人雇用管理指針とは?
ここでは、
- 外国人労働者を雇用する事業主が講ずべき措置
- 外国人労働者の職場定着・活躍
- 労働条件や職場環境の整備
などを説明します。
外国人雇用管理指針はどういったものですか?
正式名称は「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」です。外国人労働者を雇い入れる際、適切な労務管理や職場環境の整備を行うための基本的な考え方を示しています。
今回の改正では、外国人労働者の適正な雇用管理に加え、労働条件の明示、日本語学習支援、外国人雇用状況の正確な届出、育成就労制度への対応など、企業側に求められる対応が明確化されています。

改正のポイントが公開されています。指針なので、基本的考え方を示すにとどまり、指針に沿わないことがあってもペナルティはないのですね。

指針自体は基本的考え方を示すものであるため、直接的な罰則(ペナルティ)はありません。しかし、本指針は出入国管理及び難民認定法(入管法)や労働基準法などの関連法令に基づいて策定されています。指針を理解し実行することは、結果として企業の法令順守(コンプライアンス)の徹底と企業価値の向上につながります。
2026年に改正された外国人雇用管理指針のポイント
今回の改正は、2026年から2027年にかけて段階的に施行されます。時期ごとの見直し事項を確認しておきましょう。
【2026年6月14日適用】 運用・管理の厳格化と学習支援
主な改正事項は以下の3点です。
同一労働同一賃金ガイドラインの適用
同一労働同一賃金ガイドラインは「同一企業内の正職員とパートタイム・有期雇用労働者や派遣労働者との間の待遇について不合理な差を解消する」という内容のものになります。パートタイム・有期雇用労働者や派遣労働者である外国人労働者に対しても適用されます。
2026年10月からは、以下の内容が新たに追加されます。
| 賞与(記載の充実)、家族手当(新規追加)、病気休職(記載の充実)、退職手当(新規追加)、住宅手当(新規追加)、夏季・冬季休暇(新規追加)、無事故手当(新規追加)、福利厚生施設(記載の充実)、褒賞(新規追加) |

自社の就業規則や支給基準が不合理になっていないかを見直し、外国人労働者へ明確に説明できる状態を整えましょう。
外国人労働者への日本語学習支援が努力義務に
外国人労働者が円滑に業務および生活に適応できるよう、日本語学習の機会や支援を提供するよう努めることが求められます。
外国人雇用状況の届出を適切に行う
雇入れ・離職時に提出する「外国人雇用状況届出」の際、厚生労働省が推奨する「在留カード等読取アプリ」などを活用し、偽造の有無や券面情報を正確に照合することが推奨されます。不法就労を未然に防ぐため、社内の確認体制を再点検しましょう。
2026年10月から外国人雇用で必要となる対応
労働条件の明示に関する変更
パートタイム・有期雇用労働法施行規則の改正が適用されます。 雇い入れ時に交付する労働条件通知書等に、「待遇差の内容および理由等について説明を求めることができる」旨を明記する必要があります。
待遇差の説明を求められた場合の対応
同一労働同一賃金ガイドラインも踏まえ、賃金や福利厚生、教育訓練などについて説明を求められた際、合理的な説明を外国人労働者にとって分かりやすい形でできるよう事前に整理しておきましょう。
2027年4月施行の育成就労制度への対応
新設される「育成就労制度」の開始に伴い、制度に則った雇用管理の徹底が求められます。
外国人材への日本語・技能習得支援
目標とする技能および日本語能力を習得するための継続的サポート
育成就労外国人の転籍に関する説明
転籍制限に関する事項をあらかじめ本人へ説明
送出機関への費用負担をめぐる対応
送り出し機関へ支払う手数料が不当に高額(月給の2か月分を超えるなど)にならないよう適切に管理
外国人労働者を雇用する企業が今から確認すべきこと
労働条件や待遇を分かりやすく説明する
外国人労働者の日本語学習を支援する
外国人雇用状況の届出を適切に行う
就業規則や社内ルールを確認する
社内の受入体制をチェックするには?
厚生労働省のホームページでは、外国人雇用管理指針等に基づいた体制が整っているかを確認できる自主点検表が公開されています。
まずは自社の現状把握として活用してみることをお勧めします。
外国人労働者の雇用管理改善等に係る自主点検表【事業主用】(厚生労働省)
まとめ|外国人雇用管理指針の改正に企業はどう対応する?
外国人労働者の受入れが拡大する中、企業には、労働条件や待遇の適正な確保だけでなく、日本語学習の支援や職場環境の整備など、外国人材が安心して働ける環境づくりが求められています。
2026年の外国人雇用管理指針の改正に加え、2027年4月には育成就労制度の施行も予定されています。外国人材を雇用している企業や、これから外国人材の採用を検討している企業は、制度改正の内容を確認し、自社の労務管理や受入れ体制を見直しておくことが重要です。
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