退職金制度のメリット・デメリット・積み立て方いろいろ[Part1]

令和4年4月、人事院の調査(令和2年度時点)で5年前と比べ、国家公務員と民間企業の退職金平均額(一時金*¹・年金*²含む)の差が1万5千円となったというニュースがありました。
国家公務員1人当たり平均2407万円で、民間企業では2405万5千円だったそうです。
前回平成27年度分の調査では約78万円差だったのに比べ、官民の差がかなり小さくなりました。

(๑º ロ º๑)!!

【出典】民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る人事院の見解の概要(人事院)

*¹退職一時金・・・その名のとおり、一時金としてもらえる退職金。退職所得とされ、税制上優遇されます。
*²退職年金・・・年金としてもらえる退職金。運用益が上乗せされるため受取額がアップする可能性があります。デメリットとしては、年金として受け取った額は雑収入として計上されるため、他にも収入があると所得が多くなり、税金や社会保険料が高くなる可能性があります。
※退職一時金と年金は組み合わせて受け取ることも可能です。受取総額と税金のバランスが重要なので、慎重に検討しましょう。

退職金制度導入のメリット・デメリット

退職金制度を導入する企業側のメリットは、従業員がその企業で定年まで勤め上げるモチベーションにつながるため、勤続年数を伸ばしやすいことです。
勤続年数が長い社員が多いことは、働き甲斐の有る会社かどうかという指標にもなります。
優秀な人材を確保する上で重要なポイントと言えるでしょう。

(*´∀`*)ノ。+゚ *。

退職金制度を設けた場合は、適用される労働者の範囲・退職金の支給要件・額の計算及び支払の方法・支払の時期などを就業規則に記載しなければなりません。
そのため、経営者の一存で簡単に変更や廃止ができるものではありません。(この点が企業にとってはデメリットであると言えます)
従業員にとって不利益な方へ変更・廃止するという場合は、従業員や労働組合などに事情を説明して合意をしてもらった上で、就業規則を変更し届出をすることが原則となります。

例外として、退職金制度の廃止が「合理的なものである」と認められた場合は、就業規則の変更のみで制度を廃止することが可能です。
例:経営状況が苦しくなり退職金の支払いが不可能となった等

ただし「経営が苦しいから」と言って、会社側が一方的に制度廃止を強行してしまうのは避けた方がよいでしょう。
退職金は、従業員にとって退職後の人生に大きな影響を及ぼす非常に重要な存在です。
退職金制度を廃止することで、もしも労使トラブルに発展してしまった場合は、企業側の対応が妥当なものであったかが厳しく判断されます。

労使関係とはいえど、結局は人と人との問題ですので、相手の立場を尊重する姿勢が重要です。
従業員にとって不利益となる形に変更するのですから、トラブルに発展しないように代替案(退職金の代わりとなる制度・経過措置等)を設けるなど、企業側の真摯な対応が必要です。

(〃’ω’)=oo=(‘ω’〃)アクシュ♪

制度の設計

退職金制度の支給事由は、企業ごとに決めることができます。
「勤続年数3年以上の者を対象とする」など勤続年数によって規定されていることが一般的です。

また、近年では成果主義の広がりとともに、ポイント制退職金が普及しています。
退職金の額を決める際、基本給や勤続年数のみをもとにするのではなく、資格の有無や職務内容、人事考課をポイント付与しておき、それをもとに計算を行うというものです。
調査によると、2021年9月度の調査時点で退職金制度を導入している調査対象起業のうち76.7%がポイント制度を導入しているようです。

【出典】2021年9月度「退職金・年金に関する実態調査結果」を発表 (2022年3月24日 No.3538) | 週刊 経団連タイムス

ヘエー(°◇°〃)

退職金の積み立て方法4種

”退職金制度”と一言に言っても、積み立て方法は大まかに4種類あります。

1⃣自社内積み立て
2⃣中小企業退職金共済制度(中退共)
3⃣確定給付企業年金(DB)
4⃣確定拠出年金(DC)
・・・iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)、企業型

次回以降Part3までで、上記4種類を詳しく説明していきます!

☆*.・(*ゝ∀・*)ノコウゴキタイ

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