雇用保険料引き上げの可能性

今回のお役立ち情報は、今話題となっている来年度の雇用保険料引き上げについて取り上げようと思います。
ナンデスト!Σ(×_×;)!

令和4年度、
雇用保険料が引き上げに?!

新型コロナウイルスの感染第5波がようやく収束しようとしていますね。
そんな中、厚生労働省では9月8日に来年度以降の雇用保険料の引き上げについての議論が始まりました。
コロナウイルスの影響によって、雇用調整助成金の給付総額が現在4兆円を超えており、財源がひっ迫し始めているためです。
年末までに労働政策審議会での議論を踏まえて方向性をまとめ、来年の通常国会に雇用保険法改正案の提出を目指すとしています。

雇用調整助成金の財源

ご存知の通り、雇用調整助成金は景気の変動等の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な労働者の休業・教育訓練・出向を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されるものです。

その財源は、雇用保険料の中の雇用保険二事業分を積上げた「雇用安定資金」です。
雇用保険二事業の費用はリストラ等雇用上の問題が企業の行動に起因するところが多く、これらの問題の解決が事業主にも利益をもたらすため、事業主の保険料のみを原資としており、もともと国庫(税金)からの負担はありません。(今回の保険料率改正に伴い、国庫負担を求める声も上がっているようですが、どうなるでしょうか)

雇用安定資金は、2019年度末には1兆5千億円程度の積立金がありましたが、長引くコロナウイルスの影響による給付の急増で、ほぼ底をついてしまいました。
そのため一般会計から1兆1千億円を繰り入れたり、労使が折半して保険料を負担している失業給付などの積立金からも1兆7千億円を借り入れて穴埋めしてきていました。

これまでは積立金に余裕があったため、平成16年度に引き下げられて以降据え置かれてきた雇用保険の保険料率ですが、ついに据え置きが難しくなってしまいそうなのです。

(; ・`д・´)!!

雇用保険二事業とは

“雇用調整助成金”という名称は昨今よく耳にすると思いますが、そもそも雇用保険とはどういった仕組みなのでしょうか。

まず雇用保険には大きく分けて3つの柱があります。

①失業等給付・・・求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付(高年齢雇用継続給付・介護休業給付)が分類されます。失業した際や離職を防止するための給付を規定している、労働者自身が関わることが多い事業です。
②育児休業給付・・・もともとは雇用継続給付の一部でしたが、支給金額が高まってきたため、令和2年4月から独立した事業となりました。
③雇用保険二事業・・・二事業という通り、次の二つの事業の総称です。労働者に直接補助があるわけではなく、事業主(一部は都道府県)に対して補助をするものです。
雇用安定事業(雇用調整助成金を含む、事業主に対する助成金支給、中高年齢者等の再就職の緊急度が高い求職者に対する再就職支援、若者や子育て女性に対する就労支援)
⇒能力開発事業(在職者や離職者に対する訓練、キャリア形成促進助成金等の事業主が行う教育訓練への支援、職業能力評価制度の整備等)

上記のとおり、雇用調整助成金は③雇用保険二事業の中の雇用安定事業で行われています。

現在の雇用保険料率

現在の雇用保険料率は☟の表のとおりです。
実際の負担額は 賃金総額×負担率 で求めます。

【参照】令和3年度雇用保険料.pdf (厚生労働省)

※賃金総額の求め方は【出典】労働保険料の算定基礎となる賃金早見表 | 神奈川労働局を参考にしてみてください。

例です。建築・農林水産(内、リーフレット上※の事業は除く)・清酒製造の事業以外の一般の事業に該当する会社の雇用保険料率は現在0.9%です
つまり月の給与が20万円だった場合、200,000×0.9%=1800円が雇用保険料です。このうち0.6%(1,200円)は会社が負担0.3%(600円)を社員が負担しています。

改定はいつから?

どのくらいの改定率になるかは、これからの議論にかかってきますが、労使ともに負担が増えるのは免れないことになってきそうです。

保険料率の改定は、毎年4月からです!
令和4年度の改定時は要チェックですね!!

d(ゝ∀・*)ネッ!!

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